「健康経営優良法人を取得しました」
最近、そんな会社を見かけることが増えてきました。
会社のホームページに認定ロゴを掲載したり、求人票や採用ページで紹介したり。もちろん、これは悪いことではありません。むしろ、社員の健康や働きやすさについて会社として取り組んでいることを、社外に伝える材料になります。
ただ、大事なのは。
「認定を取ったか」ではありません。
「認定を取って、その後、会社の中で何が変わったか」です。
「取った会社」と「取っただけの会社」
健康経営優良法人を取得する。そこまでなら、同じです。しかし、その後には大きな違いが出てきます。
「取っただけの会社」
認定を取得した。ホームページにロゴを貼った。求人票にも「健康経営優良法人」と書いた。
でも、
- 社員の悩みを聞く機会は増えていない
- 長時間労働や業務負担は変わっていない
- 腰痛や疲労を抱えている社員がいても、そのまま
- 管理職が疲れていても、相談する場所がない
- ストレスチェックをしても、結果を職場改善に使っていない
そんな状態です。
もちろん、認定を取得したこと自体に意味がないわけではありません。ただ、「認定を取得した」という事実と、「健康な職場になった」ということは、同じではありません。
一方で、「取った会社」は違う
本当に健康経営に取り組んでいる会社は、認定をゴールにしません。認定を一つの区切りとして、「では、次に何を変えるか?」を考えます。
例えば、社員の声を聞いて、「若手社員の相談相手がいない」と分かった。そこで、相談の仕組みをつくる。
あるいは、「管理職の業務負担が大きすぎる」と分かった。そこで、業務を見直す。
「腰痛を訴える社員が多い」と分かった。そこで、作業環境や身体の使い方を見直す。
「ストレスチェックの結果を見ると、特定の部署に負担が集中している」と分かった。そこで、その部署の働き方や人員配置を検討する。
こうした取り組みを続けていく。そして翌年、「去年と比べて、何が変わったのか」を確認する。
ここまでやって、初めて健康経営が「会社の中に根づいてきた」と言えるのではないでしょうか。
認定ロゴは「ゴール」ではなく「証明」
私は、健康経営優良法人の認定そのものを否定するつもりはありません。むしろ、中小企業にとっては、
- 自社の取り組みを整理する
- 健康経営について社内で考えるきっかけにする
- 採用時に会社の姿勢を伝える
- 社外に取り組みを発信する
という意味で、活用できる制度だと思います。
ただし、「健康経営優良法人を取ること」だけを目的にしてしまうと、少しもったいない。
LIFEKZCHでは、認定を「壊れずに働き続けられる職場」であることを社会に示す一つの証明として捉えています。
だからこそ、認定を取るために取り組むのではなく、取り組んだ結果として認定がついてくる。この順番を大切にしています。
「健康経営をやっています」と言える会社は多い
ここで、経営者の方に一つ考えてほしいことがあります。
もし社員に、「うちの会社は、健康経営をしています」と聞いたら、社員は何と答えるでしょうか。
「健康経営優良法人です」でしょうか。それとも、「確かに、最近働きやすくなった」でしょうか。
この二つは、似ているようで全く違います。
前者は認定の話です。後者は職場の変化の話です。
私は、後者を大切にしたいと思っています。
「何をやったか」ではなく、「何が変わったか」
健康経営では、取り組みの数が増えていくと、「今年は○○をやりました」「研修を○回実施しました」「イベントを開催しました」という報告が増えていきます。
もちろん、これらも大切です。でも、本当に見たいのは、その先です。
その取り組みで、社員の何が変わったのか。
例えば、
- 相談しやすくなった
- 管理職が一人で抱え込まなくなった
- 腰痛を我慢する社員が減った
- 職場のコミュニケーションが変わった
- 休みを取りやすくなった
- 若手社員が「ここで働き続けたい」と思えるようになった
こうした変化です。
そして、その変化を確認するためには、「何となく良くなった気がする」ではなく、定期的に振り返る仕組みが必要になります。
LIFEKZCHの考える健康経営も、単発の研修やイベントではなく、現状を確認し、課題を整理し、取り組み、再び確認するというサイクルを重視しています。
健康経営優良法人を「採用」に活かすなら
もう一つ、大切なのが採用です。
人手不足の中で、「うちは健康経営優良法人です」という情報は、会社を知ってもらう一つの材料になります。
しかし、それだけで応募したくなるでしょうか。おそらく、それだけでは十分ではありません。
求職者が知りたいのは、「この会社に入ったら、自分はどんなふうに働けるのか」だからです。
認定ロゴに加えて、
- 「社員の声を聞く仕組みがあります」
- 「若手社員を一人にしない仕組みがあります」
- 「管理職も相談できます」
- 「腰痛やメンタルヘルスなど、働く上での困りごとに会社として対応しています」
そして、「実際に、こんな変化がありました」と伝えられれば、認定は単なるロゴではなくなります。会社の姿勢を伝える「証拠」になります。
「人が辞めない会社」をつくるためではない
ここは、LIFEKZCHが大切にしているところです。
健康経営の目的を、「社員を辞めさせないこと」にしてしまうと、少し違ってきます。
人には、それぞれ事情があります。成長して次のステージに進む人もいます。転職によって人生が良い方向に変わる人もいます。だから、離職率だけを下げればいいとは考えていません。
LIFEKZCHが目指しているのは、
心・体・関係が壊れず、
留まることも、進むことも、本人が選べる職場。
「辞められない会社」ではありません。「ここで働き続ける」という選択もできる会社。そして、「次に進む」という選択をしても、その人の成長を応援できる会社。そんな職場です。
だから、私は認定後を見たい
健康経営優良法人を取得した会社を見たとき、私は、「認定を取ったんですね。すごいですね」だけでは終わらせたくありません。
むしろ、「認定を取ってから、何が変わりましたか?」と聞きたい。
そして、「社員は、その変化を感じていますか?」と聞きたい。
さらに、「来年は、何を変えますか?」と聞きたい。
健康経営は、一度認定を取って終わるものではありません。会社の中に、「人を大切にする仕組み」が少しずつ残っていく。その結果として、社員が心も体も壊さずに働ける。困ったときに相談できる。支える人も、支えられる。
そして、「この会社で働いてよかった」と思える人が増えていく。
認定ロゴの、その先へ。
健康経営優良法人。取得することには意味があります。
でも、認定ロゴをホームページに貼ったところから、本当の健康経営が始まる。私は、そう考えています。
「取った会社」と「取っただけの会社」。その違いは、認定証やロゴには表れません。
社員の日常に、変化があるかどうか。そこに表れます。
LIFEKZCHは、認定を取ることだけを目的にするのではなく、「心・体・関係が壊れず、働き続けられる職場」を一緒につくっていきます。認定は、その取り組みの先にある一つの証明です。
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