「2028年から、社員50人未満の会社にもストレスチェックが義務化される」
このニュースを聞いた社長が、まず考えることは、おそらくこうです。
「で、いくらかかるの?」
当然です。経営者にとって、法令対応のコストはできるだけ抑えたいもの。
実際、オンライン型のストレスチェックサービスもありますし、厚生労働省は無料で利用できる「ストレスチェック実施プログラム」も提供しています。健診をお願いしている事業者から「ストレスチェックもできますよ」と提案されるケースもあるでしょう。
だから、最初に結論を言います。
「ストレスチェックを実施するだけ」なら、安価なサービスを選ぶのは合理的です。
ここで無理に「LIFEKZCHに頼んでください」と言うつもりはありません。むしろ、そうではない会社にまで、私のサービスを勧めるべきではないと思っています。
ただし、一つだけ考えてほしいことがあります。
ストレスチェックを「実施して終わり」にするのか。それとも、「職場を良くするための材料」として使うのか。ここには、大きな違いがあります。
「実施すること」と「職場を改善すること」は別です
ストレスチェックには、労働者自身が自分のストレス状態に気づくという重要な役割があります。また、一定の集団単位で分析することで、職場環境について考える材料にもなります。
ただし、結果が出たことと、職場が改善したことは同じではありません。
例えば、「A部署は仕事の量に関するストレスが高い」という結果が出たとします。そこで、「A部署はストレスが高かったですね」で終わってしまえば、何も変わりません。
重要なのは、「なぜA部署では、その結果になったのか?」を考えることです。
- 業務量なのか
- 人員配置なのか
- 管理職とのコミュニケーションなのか
- 相談しにくい雰囲気なのか
- あるいは、複数の要因が重なっているのか
数字は「何が起きているか」を示してくれます。しかし、「なぜ起きているのか」までは、数字だけでは分かりません。ここに、ストレスチェックの次の仕事があります。
ストレスチェックは「体温計」に似ています
私はストレスチェックを、体温計に例えることがあります。
体温計そのものは、安価なものでも十分に役立ちます。38.5℃と表示されれば、「熱がある」ということは分かります。
しかし、「38.5℃だった。測ったから終了」ではありません。その後、「なぜ熱が出たのか?」を考えます。
ストレスチェックも同じです。測ることは大切。でも、測った後がもっと大切です。
LIFEKZCHが考える「その先」
私がストレスチェックを提供するときに重視したいのは、「結果を出すこと」ではなく、「結果を職場改善につなげること」です。
そのために、私は「心・体・仕組み」の3つの視点から職場を見ることを考えています。
① 心
ストレスチェックの結果から、高ストレスの傾向、仕事の負担、上司・同僚との関係、働きがい、心理的な負担などを確認します。そして、「なぜ、この結果になったのか」を経営者や管理職へのヒアリングなどから考えます。
② 体
ここでは、ストレスだけを見るのではありません。長時間労働、睡眠不足、疲労、身体的な負担、健康診断結果、年齢構成など、従業員が働き続けるうえでの身体面も考えます。私は理学療法士として、身体面についても現場から考えることができます。
ただし、ストレスチェックそのものが身体の健康状態を診断するものではありません。ここは明確に区別します。
③ 仕組み
そして、意外と見落とされやすいのが「仕組み」です。
- 相談窓口はあるか
- 実際に相談できる雰囲気なのか
- 管理職は部下の変化に気づけるか
- 休職・復職への対応方法は決まっているか
- ハラスメントへの対応ルールは機能しているか
- 職場改善について誰が責任を持つのか
制度が「ある」ことと、制度が「機能している」ことは違います。
では、安いオンラインサービスではダメなのか?
いいえ。そんなことはありません。ここは、あえて明確にしておきたいと思います。
「とにかく法令上必要なストレスチェックを、できるだけ安く実施したい」という会社なら、オンラインサービスを利用するのは合理的な選択です。厚生労働省自身も、50人未満の事業場について外部機関の活用を想定していますし、無料のストレスチェック実施プログラムも公開しています。
したがって、「LIFEKZCHなら安いですよ」という競争をするつもりはありません。安さでは、オンラインサービスに勝てないからです。
では、どんな会社がLIFEKZCHに向いているのか?
例えば、こんな会社です。
「若い社員が辞める」
ストレスチェックを実施するだけではなく、「なぜ辞めているのか?」を考えたい。
「管理職が疲れている」
管理職自身の負担だけでなく、「部下を支える管理職をどう支えるか?」まで考えたい。
「採用しても定着しない」
採用活動だけではなく、「そもそも、この会社は働き続けやすい環境になっているか?」を考えたい。
「社長自身が相談相手を求めている」
これも重要です。中小企業では、人的・健康面の課題について、「誰に相談すればいいのか分からない」という経営者もいます。
ストレスチェックをきっかけとして、「結果を一緒に読み、改善まで考えてくれる人」を求める会社であれば、LIFEKZCHの出番があります。
私は「ストレスチェック屋」になりたいわけではありません
ここが、LIFEKZCHとして一番伝えたいところです。
私は、ストレスチェックだけを大量に実施する事業者を目指しているわけではありません。ストレスチェックは、あくまで入口の一つです。
私が目指しているのは、その会社で働きたい人が、無理なく働き続けられる職場をつくること。
もちろん、すべての人が一つの会社で働き続ける必要はありません。転職して成長する人もいます。独立する人もいます。別の会社で能力を発揮する人もいます。それも、その人にとっての良いキャリアです。
だから私は、「人が辞めない職場」よりも「働き続けられる職場」という言葉を大切にしています。
ストレスチェックを「義務」で終わらせない
2028年4月1日から、労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化されます。厚生労働省は2026年2月に小規模事業場向けの実施マニュアルを公表し、2026年6月には、集団分析を個人が特定されない方法で行うことを明確にする省令改正も行われています(施行は2027年4月1日予定)。
これから、多くの中小企業が初めてストレスチェックに向き合うことになります。
そこで、「いくらかかる?」と考えるのは当然です。でも、もう一つだけ考えてみてください。
「結果が出たら、その結果をどう使う?」
法令対応だけなら、安価なサービスで十分な会社もあります。一方、「せっかくストレスチェックをするなら、職場を良くするところまでやりたい」という会社もあるはずです。
私は、そういう会社の力になりたいと思っています。
測ることは、ゴールではない。測ったなら、その先へ。
ストレスチェックを、「法律で決められた年1回の作業」で終わらせるのか。それとも、「自分たちの職場を見直す機会」として活用するのか。
2028年の義務化を、単なるコストではなく、「働き続けられる職場」をつくるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
※本記事は、2026年8月13日時点の厚生労働省公表資料をもとに、ストレスチェック制度の考え方を一般向けに解説したものです。制度の具体的な実施方法、実施者の要件、面接指導、集団分析等については、最新の法令・厚生労働省資料をご確認ください。個別の法的判断については、専門家にご確認ください。
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